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用語
定義
有標・無標
言語表現において、基準となる中立的な形式を「無標」、それに対して特別な意味や形式が加わったものを「有標」という(例:「女医」は性別が明示され有標、「医者」は無標)
プロトタイプ
あるカテゴリーにおいて最も典型的・代表的とされる例のこと(認知言語学の概念)
認知言語学
言語現象を人間の認知能力(比喩・カテゴリー化など)と関連づけて説明しようとする言語学の一分野
膠着語
語幹に接辞(助詞・助動詞など)を次々と付加することで文法関係を表す言語類型(例:日本語、韓国語、トルコ語)
屈折語
語形変化によって文法関係を表す言語類型で、語尾が複数の文法機能を同時に担うことが多い(例:英語、ドイツ語、ラテン語系言語)
調音点
音を作る際に舌や唇が接近・接触する口腔内の位置(例:両唇、歯茎、硬口蓋、軟口蓋)
熟字訓
漢字二字以上の熟語全体に対して、個々の漢字の音訓とは別に特別な読み方を当てたもの(例:今日「きょう」、土産「みやげ」)
接尾辞の品詞性
接尾辞が付加されることで元の語の品詞がどのように変化するかという性質(例:形容詞化・名詞化など)
派生語
語根や語幹に接頭辞・接尾辞を付加して作られた語(例:「お花」「春めく」)
複合語
二つ以上の独立した語(自立語)を組み合わせて作られた語(例:「歩く」など単純語との対比で使われる合成語の一種)
比喩表現
あるものを別のものにたとえて表現する修辞法(直喩・隠喩など)
隣接ペア
会話分析の概念で、「誘い-応諾」「質問-応答」のように、発話が対をなして連続して現れる構造
経済連携協定(EPA)
貿易の自由化に加え、投資・人の移動・知的財産など幅広い分野での協力を含む国家間協定。インドネシア等からの看護師・介護福祉士候補者受け入れの根拠となっている
言語変種
使用場面・地域・社会集団などの違いによって生じる言語の異なり方(方言、位相語、スタイルなど)
言語適性
言語を学ぶ際の音の聞き取り、文法パターンの把握、語彙記憶などにおける個人差・素質のこと
学習ストラテジー
学習者が言語習得を効果的に進めるために意識的・無意識的に用いる方法や工夫
メタ認知
自分自身の認知活動(理解度や学習方法など)を客観的に把握し、調整する能力
ファシリテーション
教師が一方的に教えるのではなく、学習者同士のやり取りや気づきを促し、学習過程を支援・調整すること
異文化間トレランス
異文化との接触で生じる苦痛や葛藤の衝撃を和らげ、受容を調節する寛容性・耐性
Can do(活動Can do)
学習者が「何ができるか」を具体的な行動・技能で示した到達目標の記述(CEFR等で用いられる)
ワンストップ型相談センター
在留外国人向けに、複数分野の相談に一つの窓口で多言語対応する行政サービス拠点
母語使用(コミュニケーション・ストラテジー)
目標言語で表現できない際に、母語(または既知の言語)の単語をそのまま使って伝えようとする方略
エンブレム(ジェスチャー)
特定の文化内で固定された意味を持ち、言葉なしでも明確なメッセージを伝えられるジェスチャー(例:親指を立てて「いいね」)
フェイス侵害行為(FTA)
批判・命令・叱責など、相手のフェイス(体面・自尊心)を脅かす可能性のある発話行為
ポライトネス・ストラテジー
相手のフェイスを配慮しながら発話を行うための言語的方策
ヨーロッパ評議会(Council of Europe)
第二次世界大戦後、人権・民主主義・法の支配の分野での基準策定を主導するために設立された国際機関(軍事同盟や通貨統合とは異なる)
暗示的知識
文法規則を言語化できなくても、実際の使用場面で自然に正しく運用できる知識(対義語:明示的知識)
明示的知識
文法規則などを言語化・説明できる、意識化された知識
マズローの5段階欲求
人間の欲求を生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→自我(承認)の欲求→自己実現の欲求の5段階で示した理論
成長欲求
マズローの欲求階層のうち、自己実現の欲求を指す(欠乏欲求に対する上位概念)
協働学習
学習者同士が対等な立場で作業を分担・共有し、互いにやり取りしながら学び合う学習形態(例:作文を交換して読み合いコメントし合う)
生教材
語学学習用に作られたものではなく、実社会で実際に使われている素材(新聞、テレビニュース、ブログなど)
MMC(Mechanical→Meaningful→Communicative)
文型練習を機械的練習→有意味練習→コミュニカティブ練習の3段階で構成する教授法上の考え方
機械的練習(Mechanical)
与えられた語句を入れ替えるなどして文型を繰り返し練習する段階
有意味練習(Meaningful)
イラストや例文をもとに、語や文型の意味・用法を推測しながら行う練習段階
コミュニカティブ練習(Communicative)
場面に応じて自分の考えを自由に伝え合う、実際のコミュニケーションに近い練習段階
シラバス
コースデザインにおいて、実施するコースで具体的にどんな項目を教えるかを決定するもの
カリキュラム
コースデザインの中で決定した項目を、実際の授業の流れの中で具体的に決定していく過程・計画
援助要請(コミュニケーション・ストラテジー)
分からない表現について相手に直接尋ねるなど、助けを求めるコミュニケーション方略(例:「その意味は何ですか」と聞く)
IRF型/IRE型
教師と学習者のやり取りにみられる「発問(Initiation)→応答(Response)→フィードバック/評価(Feedback/Evaluation)」の3段階構造
ARCSモデル
学習意欲を高めるための要素を Attention(注意喚起)・Relevance(関連性)・Confidence(自信)・Satisfaction(満足)の4つで示したモデル
ガニェの9教授事象
学習を支援するために効果的とされる9つの教授上の働きかけ(目標提示・フィードバックなどを含む)
CRT(Criterion-Referenced Test)
あらかじめ設定された基準への到達度を測る絶対評価型のテスト
NRT(Norm-Referenced Test)
受験者集団内での相対的な位置づけを測る集団基準準拠型のテスト
JLPT(日本語能力試験)
日本語の言語運用能力を測定する代表的な試験(NRT・CRTの特徴を併せ持つとされる)
方言コスプレ
標準語話者が意図的に方言を使うことで場を盛り上げようとする言語使用(社会言語学の概念)
ネオ方言
標準語と方言の接触により生じる、両者の中間的な特徴を持つ新しい言語変種
コードスイッチング
会話の中で複数の言語や言語変種(方言など)を切り替えて使用したり混ぜたりすること
5つのC's
外国語教育の指針となる Communication・Cultures・Comparisons・Connections・Communities の5つの観点
アイデンティティ拡散
青年期にアイデンティティの確立に失敗し、自分が何者か分からなくなっている状態
アイデンティティ達成
悩みや葛藤を経て、自ら主体的に自分のあり方を選択し確立した状態
モラトリアム(心理学)
自分自身が何者であるかを模索し、社会的方向性の決定を先延ばしにしている猶予期間
早期完了(フォークロージャー)
自ら悩むことなく、他者の価値観をそのまま受け入れてアイデンティティを形成した状態
行動主義
観察可能な刺激・反応・強化のサイクルによって言語習慣が形成されると捉える学習観
認知主義
学習者の内的な認知プロセス(理解・推論など)を重視する学習観
オーディオリンガル・メソッド
行動主義的な学習観に基づき、パターン練習や反復練習によって正しい言語習慣を形成しようとする教授法
傾聴(アクティブリスニング)
カール・ロジャースが提唱した対人関係能力の一要素で、相手の話を相手の立場に立って共感的に理解しようとする姿勢
共感的理解
相手の視点に立ち、その内面を理解しようとする姿勢(ロジャースの3要素の一つ)
無条件の肯定的関心
相手を評価・批判せずにそのまま受け入れる態度(ロジャースの3要素の一つ)
自己一致(congruence)
聞き手が自分自身に誠実であり、分からないことは分からないと伝えられる真摯な姿勢(ロジャースの3要素の一つ)
ハルシネーション(AI)
生成AIが事実に基づかない情報を、根拠がないにもかかわらずもっともらしく生成してしまう現象
席次計画(地位計画)
どの言語を公用語・教育語にするかなど、言語の社会的な位置づけや機能配分を決める言語政策
実体計画(本体計画・コーパスプランニング)
文字・正書法・語彙・文法など、言語そのものの内的体系を整備・標準化・近代化する言語政策
習得計画(普及計画)
学校教育やマスメディアを通じて、社会に学習言語を普及・定着させるための計画
接触計画
多言語社会において異なる言語話者間の意思疎通を円滑にするための計画(多言語通訳サービスなど)
言語イデオロギー
特定の言語や方言、話し方に対して社会が抱く価値観や信念のこと
ミクロな言語管理
家族や個人など、当事者が主体となって行う日常的な言語選択の営み
マクロな言語管理
国や自治体など、大きな組織・制度レベルで行われる言語に関する管理・政策
中間的な取り組み(メゾレベルの言語管理)
国や地方自治体などの行政組織が主体となって行う多言語サービスなど、ミクロとマクロの中間に位置する言語管理
特別永住者
日本の植民地支配に関係して移住した朝鮮半島・台湾出身者とその子孫に与えられている在留資格
中国残留邦人等支援法
長く中国で生活し日本語や就労に課題を抱える中国帰国者を対象に、定住支援を行うための法律
インドシナ難民
1978年に日本が初めて受け入れた難民で、日本の難民受け入れ政策の出発点となった
技能実習制度
開発途上国出身者が日本で技術・知識を習得し、帰国後の自国発展に活かすことを本来の目的とした制度(形骸化した労働力確保の実態が問題視され、育成就労制度へ移行)
特定技能制度
人手不足分野において即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格制度