世界の日本語教育事情:歴史・組織・現状データの網羅的ノート
授業概要と今学期の予定
講義名: 「世界教養プログラム」日本語教育と社会
講義日: 年月日(火)
担当講師: 赤桐 敦(あかぎり あつし)
注意事項:
スライド資料は予習・復習用に共有されるが、著作権は赤桐氏が保持するため、クラス外への共有、アップロード、再配布、引用は厳禁である。
コメント欄には個人情報や不快な内容を書き込まないこと。
学期終了後にリンクが切断されるため、各自でダウンロード保存することが推奨される。
年度今学期のスケジュール詳細:
月日: オリエンテーション、言語政策とことば
月日: 社会と文化:社会と文化に対する様々な表象
月日: 日本の在留外国人施策・日本語教育事情:現代日本の政策過程と日本語教育
月日: 多文化共生:地域社会で求められる日本語教育
月日: 多文化共生:年少者に対する日本語教育
月日: 談話理解:日本語学習者が談話を理解するプロセス
月日: 日本語に関する試験:学習者の社会参加と試験(課題「身近な日本語教室・日本語教育機関」月日提出)
月日: 日本国内の日本語教育事情(グループ発表)
月日: 日本語教育史概説①:各国による日本・日本語研究の歴史
月日: 日本語教育史概説②:国民国家における日本語教育の歴史
月日: 日本語教育のための文字と表記:国家語教育と日本語表記の変遷
月日: 各国の言語政策:さまざまな国や地域における言語と社会統合の原理
月日: 世界の日本語教育事情:各国の日本語教育の特徴(課題「海外の日本語教育機関」月日提出)
月日: 海外の日本語教育事情(グループ発表)
月日: クイズ・全体のふりかえり
提出物最終締め切り: 月日
先週のふりかえりと対話
ふりかえり活動: 近くの, 名と以下の内容を共有・議論。
挨拶と簡単な自己紹介。
先週のキーワードの確認。
言及された国々:インドネシア、ベトナム、フィリピン、スイス、インド、キルギス、ニカラグアなど。
ウォームアップ・ディスカッション:
問い: 「もし、日本国外で日本語教員になるなら、どんな国や地域がいいですか?都市、学校など、具体的にイメージを話し合ってください。」
各国の対外言語普及政策
世界各国は、国家戦略の一部として自国語の普及活動を行っている。主な機関は以下の通り。
イギリス: ブリティッシュ・カウンシル (British Council)
フランス: アリアン・フランセーズ (Alliance Française)
ドイツ: ゲーテ・インスティトゥート (Goethe-Institut)
韓国: 世宗学堂 (King Sejong Institute)
中国: 孔子学院
戦前の日本語普及政策と重要人物
戦前の日本語教育は、国家政策(文部省等)と密接に関連しており、当時の国語学・言語学の大家が集結していた。
日本語教育振興会 (-): 文部省傘下の組織。
関わった主な学者・専門家:
長沼直兄 (-): ナガヌマ・メソッドの開発者。『標準日本語読本』の著者。
松宮弥平 (-): 宣教師教育に従事。
山口喜一郎 (-): グアン・メソッド、サイコロジカル・メソッドの提唱。
佐久間鼎 (-): 音韻論。
新村出 (-): 語源学、『広辞苑』編纂者。
金田一京助 (-): アイヌ語研究。
橋本新吉 (-): 学校文法の基礎を築く。
服部四郎 (-): 言語学。
時枝誠記 (-): 言語過程説を提唱。
教育内容と教育観の変遷:
戦前の教材例(ハナシコトバ等)では、「ソレワ カミデス」「コレハ ホンデス」といった基本的な物の名前の把握から始まる構造的アプローチが見られた。
大東亜共栄圏構想と日本語教育: 当時の日本語普及は「大東亜共栄圏構想」という軍事・政治的背景と切り離せない関係にあった。教員の「戦争責任」についての議論も存在する。
釘本久春と文部省官僚の足跡
釘本久春 (-):
作家・中島敦(『山月記』著者)とは一高・東大時代からの友人。
年に文部省入局後、日本語の海外普及に従事。文部省による海外派遣の調整役として、木村宗男 (-) や小出詞子 (-) らを派遣した。
戦後は文部科学省国語課長を歴任。国立国語研究所の発足、「現代かなづかい」、「当用漢字表」の策定に深く関与した。
著作に『一等兵と子どもたち』()、『戦争と日本語』()、『これからの国語—当用漢字現代かなづかいの研究』()、『良寛物語』() などがある。
戦前の対外活動と留学生支援機関
国際文化振興会 (-): 外務省所管。イギリスやドイツの拠倣い、日本の「文化的顕揚(けんよう)」のために設立。歌舞伎やバレエ等の文化紹介も行った。
国際学友会 (-): 外務省所管。非漢字圏からの留学生増加に対応するため、日本語教育を担当。小泉政権の法人改革により年から「独立行政法人日本学生支援機構 (JASSO) 東京日本語教育センター」に再編された。
戦後の日本語教育と国際交流基金 (JF)
国際交流基金 (The Japan Foundation): 「文化芸術交流」「海外における日本語教育」「日本研究と国際対話」を本柱とする機関。
JF日本語教育スタンダード: CEFRの考え方を取り入れ、「課題遂行能力」と「異文化理解能力」の育成を支援する枠組み。
日本語国際センター(埼玉県さいたま市、旧浦和市): 年設立。海外の日本語教員への研修や教材開発を行う拠点。
デジタル・リソース: 教授法オンデマンド教材(読解、文字、作文、文法、会話、文化、評価の教え方)を展開。
その他の組織:
国立国語研究所 (NINJAL): 国語および日本語教育に関する調査研究。
海外産業人材育成協会 (AOTS): 経済産業省認可。主に産業・技術人材への日本語教育。
国際協力機構 (JICA): 青年海外協力隊の派遣。
日本語教育学会: 国内外の教員募集情報の提供。
世界の日本語学習者の現状 (年度調査)
学習者数推移:
年: 約万人
年: 人(年度の人から%増加)
地域別学習者数・割合:
東アジア: 人 (%)
東南アジア: 人 (%)
大洋州: 人 (%)
北米: 人 (%)
国・地域別学習者数ランキング (年度):
中国: 人
インドネシア: 人
韓国: 人
オーストラリア: 人
タイ: 人
ベトナム: 人
米国: 人
台湾: 人
ミャンマー: 人(前年度比 %の大幅増)
インド: 人
スリランカ: 人(前年度比 %増)
教育段階別機関数割合:
中等教育: %
高等教育: %
初等教育: %
学校教育以外(民間など): %
学習目的 (年度上位):
アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味: %
日本語そのものへの興味: %
歴史・文学・芸術等への興味: %
日本への観光旅行: %
日本国内での将来の就職: %
東京外国語大学の役割と教材開発史
留学生受け入れの歴史: 年から国費留学生を対象とした予備教育を開始。小川芳男、鐘ヶ江信光らが携わった。
留学生日本語教育センター (JLC) の歩み:
年: 附属日本語学校設立。初代校長は高橋一夫。
年: 『日本語Ⅰ』等の教材を開発。国際学友会の経験を持つ鈴木忍が中心となって推進。
年: 日中国交回復を受け、中国政府派遣留学生の予備教育を開始。
年: 留学生教育教材開発センター設置。
年: 『初級日本語』(三省堂)刊行。英語、中国語、タイ語、インドネシア語、スペイン語の単語帳を備え、世界中で採用された。
年: eラーニング教材「JPLAN」の公開。
年月末: JLCはその使命を終え、アーカイブ化が進行中。附属図書館にて教材開発の展示も予定されている。