日本語のオノマトペ

「雨がザーザー」とか「赤ちゃんがよちよち歩く」という面白い言葉を聞いたことがありますか。こんな言葉を使ったことがありますか。「ザーザー」や「よちよち」のような音や様子を表す言葉をオノマトペと言います。日本語のオノマトペには、擬声語=動物や人間の声を表す言葉、擬音語=物の音を表す言葉、擬態語・動作や様子を表す言葉、の三つの種類があります。 次の言葉はどの種類に入ると思いますか。

1. 犬がワンワン (と)ほえる。

3. お腹がすいてべこべこだ。

5. 待たされてイライラした。

2. チャイムがピンポンと鳴る。

4. 水をごくごく(と)飲んでいる。

6. ドアがバタンと閉まった。

日本語は、オノマトペが世界一多い言葉だと言われていますが、どうしてこのように多く使われるのでしょうか。実は、日本語はもともと動詞の数が少ない言葉で、例えば「笑う」という 動詞に当たる言葉は日本語には「笑う」しかありませんが、英語にはlaugh, smile, giggle, grin, guffawと色々あります。この英語を日本語で表すとそれぞれ「笑う」「にっこり」にこにこ笑う」 「クスクス笑う」 「にやりと笑う」 「げらげら笑う」となり、「笑う」の前にオノマトペをつけて表現 することになります。オノマトペは動詞にバリエーションをつけるために使われる表現なのです。 また、オノマトペはフォーマルな場面で話す時や文を書く時にはあまり使われないという傾向も あります。

ところで、オノマトペがとてもたくさん使われているのが、日本のマンガです。次のページのマンガにあるそれぞれのオノマトペは、どんな様子を表しているでしょうか。ちょっと考えてみてください。「シーン」というのは、音のない様子を表した言葉で、漫画家の手塚治虫が作ったと言われています。世界16か国で読まれている日本の人気マンガ「ワンピース」の中で「シー ン」という言葉がどのように翻訳されているかを見てみると、英語版ではHMMMMMと全然違う意味になっていて、スペイン語版では何も書いてないそうです。中国語や韓国語やアラビア語では、何と書いてあるのでしょうか。みなさんは「シーン」を自分の国の言葉で表現するとしたら、どんな言葉を使ってみたいですか。

オノマトペは面白くて簡単そうに見えますが、実は、使い方にはとても複雑なルールがあるのです。例えば、初めに挙げた例を見て下さい。動詞の前に「と」があるものとなくてもいいもの、「する」と一緒に使われるもの、ひらがな書きとカタカナ書きのものなど、色々な例がありますね。また、清音か濁音かでもイメージが違ってきますし、長音があるか、促音(小さい「っ」)がある かでも、聞いた感じはずいぶん変わります。下の例の右と左ではどんな違いを感じますか。

例: ころころ vs ごろごろ

 さらさら vs ざらざら

 しとしと vs.じとじと

  し〜ん vs. しん

 ブーブー VS ブッブッ

オノマトペが上手に使えるようになると、もっと日本語らしい話し方になります。それから、 いい言葉が見つからない時に、イメージを音に置きかえて表現することで、こちらの言いたいことが相手に伝わることもあります。皆さんも機会があったら、「どんどん」 オノマトペを使ってみて下さい。